ラブラドールに限らず、犬を飼ったらついて回るのが去勢の問題です。
去勢については様々な意見がありどうするかは飼い主の判断に委ねられます。
ただし、去勢についての正しい知識がなければ判断の基準があいまいになってしまいます。
今回はラブラドールの去勢の時期やメリット、デメリットについてお伝えします。
ラブラドールの去勢の適切な時期とは
犬の一般的に去勢の適切な時期は生後6ヶ月~1年の間とされていますが、この時期では早すぎるという意見があります。
特に大型犬は半年~1歳は成長過程にあたるためおすすめできないといいます。
性ホルモンは体を作るうえでも大事なホルモンのため発育を阻害してしまう恐れがあるようです。
大型犬のオス犬の場合、生殖能力が完成するのが生後1年くらいのため、1歳を越して肉体的にしっかりとしてから去勢をしても遅くはないでしょう。
ラブラドールが去勢をするメリット
去勢については犬の様々な問題解決のためアメリカや日本では選択する方が多いのが現状で、スウェーデンに代表されるヨーロッパではなるべく去勢は避けるべきという傾向があるようです。
では様々な問題を解決するメリットとはどんなものでしょう。
1.望まない繁殖を防ぐ
もともと去勢をするようになった一番の理由は、望まない妊娠によって育てられない不幸な子犬を増やさないために手術が行われるようになったことです。
ラブラドールは一回の出産で5~10匹ほどの子犬が生まれます。
全ての子犬の面倒を見ることはとても困難であるのは想像できるでしょう。
同様に全ての子犬の引き取り手を探すことも非常に困難だといえるでしょう。
そのため犬の妊娠、出産は計画的に行わなくてはなりません。
去勢によって発情期によそのお宅の犬を妊娠させてしまうといった問題がなくなります。
2.性ホルモンが関係する病気の予防
オス犬の場合、「前立腺肥大」、「精巣腫瘍」、「会陰ヘルニア」、「肛門周囲腺腫」などの病気を防ぐことができます。
犬は年を取って老犬になると、生殖器関連の病気にかかりやすくなります。
病気が発症してからやむなく去勢をする老犬も多くいます。
去勢をすることで、性ホルモンによって起こる病気の発症率が低下するといわれています。
3.発情によるストレス防止
本来であれば発情して子供を作るのが動物にとって自然なことです。
この時期に繁殖をさせないようにすることは犬にとって大きなストレスがかかります。
近くに発情したメス犬がいると脱走、遠吠え、震え、食欲不振などの症状が出ます。
それらを抑制しなくてはいけませんから犬にとっては大きなストレスとなります。
オス犬は縄張り意識が強くあらゆる臭いに対し常に神経を張り巡らしています。
去勢をすることで、マーキングやマウンティングをすることも少なくなり、発情の期間のストレスも緩和されます。
4.問題行動の防止
吠える、噛む、飛び掛かる、追いかけるなどの問題行動が少なくなります。
問題行動とは本能的な行動になるからです。
去勢によって攻撃的な犬でも攻撃性が下がるといわれています。
ラブラドールが去勢をするデメリット
肥満になりやすい
去勢によって基礎代謝が下がる傾向にあり、肥満になることが問題とされています。
ホルモンのバランスが崩れて、食べたものをエネルギーに変えることが上手く出来ずに、脂肪として蓄えてしまうからです。
またオス犬が繁殖などに費やしていた消費エネルギーも減るため、従来の食事のままではカロリーオーバーになることも考えられています。
去勢後は低カロリーの食事が推奨されています。
ホルモンバランスによる皮膚病や脱毛の恐れ
男性ホルモンの分泌がなくなることで、新陳代謝が適切に行われなくなります。
去勢後は甲状腺ホルモンの分泌が少なくなり、体全体の機能が正常ではなくなるリスクがあります。
甲状腺機能低下症になると、難病の脱毛症になったり皮膚病になるケースもあるようです。
全身麻酔によるリスク
去勢手術は全身麻酔で行うためリスクが伴います。
全身麻酔のメカニズムはわかっておらず、麻酔の量が適量であれば効果がありますが、多すぎると亡くなってしまうこともあります。
犬が麻酔で亡くなるケースは多くありませんが、絶対ではありませんので健康状態をよく考えて判断する必要があります。
ラブラドールの去勢の費用の相場
ラブラドールの去勢の費用は病院によって異なります。
一般的な去勢の手術費用は、15,000円~30,000円程度となります。
オス犬の場合は日帰り手術が可能なため、メス犬の避妊手術より安くなる傾向にあります。
各市町村によっては、去勢・避妊手術にかかる費用への助成金が出るところもあるため事前に確認するといいでしょう。
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