人間も年を取ると口臭がきつくなることがありますが、犬においても老犬になることで口臭がきつくなることがあります。
しかし、この口臭、ただの加齢によるものであればいいのですが、生ごみのようにひどい臭いに悩まされている飼い主さんがいたら注意が必要です。
犬の口からひどい悪臭が漂っている場合は、なんらかの疾患を疑ったほうがいいでしょう。
もしそれが生ごみのような臭いであれば歯周病がかなり進行している疑いがあります。
歯周病は口臭の問題だけでなく重くなると命にかかわる病気です。
口臭に異常を感じたら早めに対策したほうがいいでしょう。
今回は犬の口臭の原因と対策についてお伝えします。
犬の口臭で考えられる原因は
口の中が乾燥して雑菌が増えている
病気を疑う前にまず口の中が乾燥していると口臭がきつくなることがあります。
口の中というのは通常は唾液で潤っていて、雑菌などの繁殖を防いでいます。
人間の場合でも朝起きたときには口臭がきつくなりますが、その原因は寝ている間に唾液の分泌が止まり口の中が乾くことで雑菌が増殖してしまうためです。
犬の場合も同様に口の中が乾燥すると雑菌が繁殖して口臭の原因となります。
特に夏の暑い季節に犬は体温を下げるため、舌を出して「ハアハア」とパンティングしています。
舌についている唾液を蒸発させることで、体の中の熱を下げていますので、どうしても口の中が乾燥してしまいます。
夏場は水分をしっかりと補給して、部屋の温度も暑くならないようにエアコンなどを使って調整する必要があります。
歯石や歯周病による口臭
生ゴミのようなひどい悪臭が口の中から漂ってくる場合、一番に疑われるのが「歯周病」です。
歯周病の主な症状
・生ごみのような口臭
・歯茎の赤みや腫れ、出血
・歯のぐらつき
・よだれを多く垂らす
・口の中を痛がる
・鼻炎、鼻血
・目の下や顎の下が膿む
歯と歯茎の境目には歯周ポケットと呼ばれる溝があります。
通常は2㎜程度の溝ですが、歯垢と歯石が多くなると、歯茎が歯から離れてしまい、そこに細菌が発生する隙間が生まれてしまいます。
歯周ポケットが深くなってしまうと、歯周病菌が繁殖しやすくなり、歯を支えている骨が溶けやすくなります。
そうなるとますます歯周ポケットが深くなり、歯肉の炎症、虫歯、感染、組織破壊、歯が抜けることなどにつながります。
犬は人間よりも歯垢が歯石に変わる速度が早いため、8割の犬が歯周病になっているとも言われています。
歯磨きの習慣がなく、歯の根元が汚れていたり、歯茎が赤く腫れている場合は歯周病の可能性があります。
歯垢や歯石からも臭いがしますが、膿が溜まると生ごみの腐ったような臭いがするようになります。
この生ごみのような臭いをほったらかしにすると、歯周病がどんどん進行してしまいますので、早めに治療するようにしましょう。
歯周病は歯の疾患なので口の中だけの病気と思われがちですが、重症になると全身に歯周病菌がまわってしまい命にかかわる危険な病気です。
犬の歯の根はとても長く鼻腔のすぐ横まで伸びているため、歯周病が悪化すると炎症が鼻にまで達して鼻炎や鼻血になることがあります。
パデュー大学のグリックマン博士は犬の歯周病と心臓病の間に明確な統計的関連があるといっています。
胃腸などの内臓疾患によるもの
胃腸になんらかの疾患があって口臭がきつくなることがあります。
胃の中が炎症を起こしていると、胃酸が過剰に分泌されてしまい、胃酸がこみ上げたり嘔吐することになります。
口臭がすっぱい臭いがするときは、胃酸が口臭の原因と考えられます。
口臭がうんちの臭いがするときは、腸に異常がある可能性があります。
ひどい便秘によって悪臭がすることがありますが、腸閉塞、腸捻転の可能性があります。
腸の中の排泄物が上手く排出できないため、悪臭がしたり便のような嘔吐をすることがあります。
腸閉塞や腸捻転は命の危険があるため要注意です。
このような重度の症状は強い痛みや腹痛を感じるため元気がなくぐったりしていることが多いです。
口臭があり腹痛、嘔吐、下痢のような症状が見られる場合はすぐに病院の診察を受けるようにしてください。
ドッグフードの品質によるもの
ドッグフードの品質によっては口臭がひどくなることがあります。
ドッグフードは開封すると空気に触れそこから酸化が始まります。
ひどく酸化したドッグフードは劣化していてたべかすが口臭の原因になります。
酸化したドッグフードは下痢や腹痛を起こす原因にもなるので気を付けましょう。
ドッグフードの臭いの原因はフードに含まれている油にもあります。
油は特に酸化しやすく、安価なフードほど低コストにするため油を多く使う傾向があります。
また油以外にも肉骨粉やとうもろこしなど穀物の廃棄物を加工したものが不快な臭いを出していることもあります。
安価なフードは粗悪な材料や添加物を多く使っているため油でごまかすことになるようです。
ドッグフードは品質が良いものを選び添加物もないもののほうがいいでしょう。
犬の口臭を消す方法
犬の歯周病による口臭は病院へ
あきらかに口臭が普通と比べてきついときは病気の疑いがあるので病院にいって診察をしたほうがいいでしょう。
歯周病の症状は、歯茎が赤く腫れたり、血が出たり、歯がぐらぐらしたりします。
犬は軽度の痛みでは食欲が落ちたりしないので、飼い主がおかしいなと気付くころには、病気が進行してしまっている可能性が高いです。
歯周病の検査はレントゲン検査や麻酔をして歯周ポケットの深さを測ります。
まれに歯の表面がきれいでも歯周病が進行している場合があります。
歯周病は歯の組織をどんどん破壊してしまう病気なので、まだ破壊される前の軽い段階で治療することが重要です。
一度破壊された歯周組織は元の状態には戻りません。
歯周病の治療法は、全身麻酔をして歯石を綺麗にとって歯周ポケット内の汚れを除去して、歯をきれいに研磨します。
根っこの露出がひどかったり、ぐらついている歯は抜歯するなどの処置をします。
犬の歯周病の治療費は
治療費の相場は5~23万円と幅広く、歯周病の進行具合によって治療内容が異なるため治療費も大きく変わってきます。
治療後は家庭での歯磨きケアが必要になります。
犬の口臭ケアには歯磨き
歯周病を予防するには歯磨きの習慣をつけることです。
歯周病は歯垢を綺麗に落とすことで予防できます。
- まずは犬用の歯ブラシと歯磨き粉を用意します。犬に人間用の歯磨き粉を使用しないでください。
- 犬ができるだけ落ち着いて出来る場所と時間を選びます。
- 最初は指で歯を触ることから始めて、大丈夫そうなら歯ブラシに慣れさせてゆっくりと動かします。
- 最後に歯磨き粉を歯ブラシにつけてゆっくりと歯の表側からブラッシングして、慣れたら歯の裏側もブラッシングします。
- 出来たら必ず褒めてあげることを忘れないでください。
いきなり歯磨きをさせてくれるワンちゃんはほとんどいないでしょう。
まずは口の中を触ることに馴れさせるため、最初はおやつとセットで嫌なことではないと覚えさせていきます。
少しずつ時間を掛けて歯ブラシができるようにしていきましょう。
もし嫌がったら無理して続けないですぐにやめるようにします。
歯磨きに悪いイメージがついてしまうとその後が大変になってしまいます。
歯ブラシを嫌がる子は、歯磨きシートを指に巻き付けて汚れを取る方法もあります。
ドッグフードを食べているとどうしても奥歯に歯石がたまりやすくなり、それが口臭の原因にもなります。
口腔疾患は予防が最善の治療法になるため、1日1回犬の歯を磨くようにしましょう。
ヨーグルト歯磨き
口腔環境を整えるのには、乳酸菌が有効とされています。
そんな中、九州の獣医師が無糖のヨーグルトで歯磨きを試してみたら口臭や歯周病に効果が見られたということです。
人間でも効果があると勧められているようで、歯磨き後にヨーグルト歯磨きをすると口腔内の殺菌になり歯周病の予防になるようです。
歯磨きが苦手な犬でも無糖ヨーグルトを使えば歯磨きがしやすくなるのではないでしょうか。
犬の歯磨き以外の口臭ケア方法
定期的に口の中をチェック
まずは口の中に異常がないかときどき確認することです。
少しでも口臭を感じるようであれば、口を開けて歯や歯茎をチェックしましょう。
歯垢や歯石は犬歯と奥歯につきやすいため、歯茎の腫れもそこから始まることが多いです。
歯が汚れていたり、歯石が付いているようであれば、その周辺の歯茎が赤くなっていたり、腫れていないかを見てみましょう。
唇を押し上げて奥の方までよくチェックしてください。
もし腫れているなと感じたら早めに病院に行きましょう。
ドッグフード選びは
ドッグフードは「ウェットタイプ」は歯垢が残りやすいため、「ドライタイプ」を選ぶほうが予防になります。
炭水化物や糖分が少ないほど、口内細菌が繁殖する確率は少なくなります。
安いフードはあまりおすすめできません。
なるべく材料の品質が良いものを選び、穀物や添加物の入っていないフードにすることが重要です。
犬の口臭予防に歯磨きガム
歯ブラシをどうしても嫌がってしまう犬には、唾液を多く分泌させることで、細菌を繁殖させにくくするため犬用のガムも有効です。
いつでも遊んでかじることで、自然と歯垢と歯石が蓄積するのを防ぎます。
ただし、ガムを与えっぱなしにしてはいけません。
あっという間に食べてしまったり、丸飲みしてしまってあまり意味がないためです。
ガムは飼い主が手で持って奥歯を狙って噛ませるようにしましょう。
犬の場合は人の25日に対して3~5日で歯石になってしまうので毎日の習慣にすると予防になります。
ガムは固すぎると歯の表面がすり減ったり折れたりするため固すぎには注意。
噛むたびに歯の表面が擦れるものが理想的です。
大きすぎると口の中を傷つけたり、丸呑みして食道に詰まって危険なため、大きさは適正なものを選びましょう。
口臭予防にサプリ
歯周病は口腔内の歯周病菌が繁殖することによって起こるため、口腔内の善玉菌を増やすことができれば、歯周病菌が減って口臭や病気の予防になります。
このような善玉菌は口腔内の環境を整えるサプリメントを服用することで増やすことができます。
歯周病菌は歯茎から内臓へと入り込み、重篤な内臓疾患へと移行することもあります。
サプリメントによってこのような疾患の予防が期待できます。
ラブリービーはブリス菌という善玉菌を増やすサプリメントです。
ブリス菌は虫歯や口臭などのトラブルのない子供から発見された善玉菌で、犬の歯周病予防にも効果的です。
サプリメントを使って善玉菌を増やし病気や口臭の予防に役立てることは獣医も推奨しています。
犬の口臭を気にすることは、歯周病や合併症を防ぎ、犬の健康や長生きを助けます。
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サプリメントは予防に効果的ですが、重篤となった歯周病を治す薬ではないのでご注意ください。
歯周病予防には歯磨きをして口腔内を清潔に保つということが大事です。
そしてサプリメントを採ることで次につく歯石や細菌を減らすことが期待できます!
犬の歯の健康はとても大事です。
きれいな歯を保ったままで育てると平均寿命が15%も伸びるといわれています。
いつも口の中の状態をチェックできるように毎日歯磨きなどのケアをしていくことをおすすめします。
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