ラブラドールのおしっこの量は把握できていますか?
よほど愛犬の健康に気を使っている飼い主さんでなければ、この問いかけに「はい」とは答えられる方はいないでしょう。
それでも何となく感覚的にであれば愛犬の排尿量は把握できているのではないでしょうか。
おしっこの量は当然水分を採った量に比例して増えていきます。
このおしっこの量や回数は単純に増えたというだけで片付けられることではありません。
おしっこが多いことの裏には何か問題や病気にかかっている危険性があるのです。
ラブラドールのおしっこの量や回数が多い?
ラブラドールの1日にするおしっこ量の目安は
犬の1日のおしっこの量の目安は、体重1kgに対して20~45mlほどです。
おしっこの量を計るのは大変なので、水を飲む量を計るといいでしょう。
おしっこをたくさんするようになれば、おのずと水を飲む量も増えていきます。
1日の水の摂取量の目安は体重1kgに対して40~60mlほどです。
ラブラドールの体重が30kg前後になるので
1日のおしっこの量は600~1350ml
1日の水を飲む量は1200~1800ml
となります。
おしっこの色
犬は一般的に水を飲む量が多いため、それほど濃い尿が出たりはしません。
普段の色と比べて濃いと感じた時は脱水しているか、病気の可能性があります。
赤い色の尿は出血、赤茶色は中毒、フィラリア症、溶血性貧血など。
濃い黄色やオレンジ色は肝炎、バベジア症など黄疸を起こしている可能性があります。
尿が出にくいときは膀胱炎、尿路結石、前立腺炎の可能性があります。
尿検査で異常が分かる
犬も人と同じで尿検査で病気が分かることがあります。
健康診断で年に1回、尿検査をしておくと病気の予防になります。
飼い主が愛犬について何か異変を感じて病院に行く場合はほとんど検尿が必要になります。
尿を詳しく調べる
おしっこはからだの健康状態を知るための大事なバロメーターになります。
毎日愛犬のおしっこチェックを習慣にしておくと病気の予防につながります。
尿を毎日チェックすることで、
- なにか異変にすぐ気付く
- 問診時に伝えることができる
- 泌尿器や内臓の病気に気付きやすい
- 糖尿病の予防になる
毎日尿をチェックすることで、愛犬の正しい尿の色や量を把握することができます。
そのため病気の早期発見に繋がります。
おしっこの採取方法
自分でおしっこを採尿する場合には、犬が排泄中に直接採る方法か排泄後に採る方法があります。
排泄中に直接採る場合は、犬がおしっこをする体制を取ったら、すかさず紙コップなどを差し入れて採取します。
容器は新品の紙コップなど清潔なものを用意します。
犬に警戒されないように自然に行いましょう。
排泄し終わった後に採取する場合は、ペットシーツを裏側にして吸収しない面を上にしておきます。
犬がおしっこをし終えたのを見て、スポイトで吸い取って清潔な容器に移し替えます。
おしっこが多い原因
膀胱の筋肉機能低下により膀胱が膨らまなくなり尿を貯めることができなくなります。
また、膀胱に結石や腫瘍ができることによって、膀胱内の空間が狭くなり尿を貯めることができにくくなります。
これらによって頻尿になりおしっこが多くなります。
また膀胱に細菌が入ることで炎症を起こし、排尿時に痛みを感じるため少量ずつしか排尿できなくなることがあります。
長時間留守にするとき
ペットを飼っている以上お留守番をさせるときが必ずあると思います。
仕事をしていたり、なにか事情があって長時間留守にすることもあるでしょう。
長時間留守番させるときは、サークルやハウスなど犬が安心して落ち着ける空間を用意してあげることです。
誤飲誤食などの事故やケガの防止にもなります。
時間的にはどんなに長くても12時間が限界ラインでしょう。
室内の温度と湿度の調整をしっかりして、水も飲める状態にしておきたいところです。
おしっこが多いときは病気のサイン
糖尿病
糖尿病は肝臓で作られるインスリンが不足したり、上手く働かなくなることで起こります。
インスリンは血液中のブドウ糖を細胞内に取り込む働きをします。
そのインスリンが不足することで血糖値が高くなることで糖尿病になります。
症状には多飲多尿、体重減少、食欲減退、嘔吐下痢などがあり、合併症を引き起こす可能性があります。
子宮蓄膿症
犬に多く見られメスの子宮内膜が細菌感染を起こして膿が溜まる病気をいいます。
発情期を迎えると妊娠のために黄体ホルモンが分泌され子宮内膜を肥厚させます。
犬は妊娠していなくても黄体ホルモンを分泌し続けてしまうため、肥厚した子宮内膜は細菌感染しやすくなります。
出産経験がない、長期間妊娠していない高齢犬が発症しやすくなります。
ぐったりとして嘔吐したり食欲がなくなります。
水をたくさん飲んでおしっこをたくさんするようになります。
慢性腎不全
腎不全は進行が遅いため気付きにくく高齢犬で主要な死因のひとつです。
腎臓の働きが徐々に低下することで、本来であれば尿として排出される老廃物や毒素が溜まり、「尿毒症」という状態になります。
うすい尿を大量に排出するようになるため、脱水して水を多く飲むようになります。
クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)
副腎から分泌されるコルチゾールというホルモンが、過剰に分泌されることによって起こる病気です。
副腎または脳下垂体にできる腫瘍などが原因でホルモンを出す指令が狂ってしまいます。
症状は多飲多尿、食欲過剰、脱毛、お腹が膨らむ、元気がない、呼吸が荒いなどです。
尿崩症
抗利尿ホルモンが腎臓に作用して尿量の調整をしています。
このホルモンが正常に働かなくなることで、調整ができず尿がさくさん出るようになった状態が尿崩症です。
腎臓が水を再吸収する働きをうまくできなくなることで、多尿多飲が起こります。
コメント