ラブラドールを飼う上でやはり気になるのが犬の無駄吠えです。
夜中や明け方から「ワンワン」吠えられては、家族も寝不足で毎日つらいですよね。
ご近所にも迷惑をかけてしまっているのではないかと気が気じゃないと思います。
大型犬の吠える声は野太くて、シーンとしてるときにはよく響きます。
どうにかしたいけど、具体的にどうしていいのか分からないと 頭を悩ませている飼い主さんも多いのではないでしょうか。
ラブラドールは無駄吠えが少ない犬種といわれていますので、何か理由があって吠えているのかもしれません。
今回はラブラドールの無駄吠えについてお伝えします。
ラブラドールレトリバーが吠える理由とは
ラブラドールの性格にも個体差があるので、臆病な子から活発な子まで様々いるでしょう。
その中には最初からほとんど吠えない犬もいればとにかくよく吠える犬もいると思います。
性格的なものはあると思いますが、ただラブラドールはほとんど無駄吠えをするということが本来ありません。
吠えるにはなにか理由があることがほとんどです。
縄張り意識から
犬はもともとオオカミと同じように群れで生活をしていました。
その群れの中で狩りをしたり、敵から身を守ったりしてきました。
そのため仲間とのきずなが強く、そこに縄張り意識というものが存在しています。
飼い主の家族と一緒に生活をするようになった犬は家族や家が縄張りとなります。
だからラブラドールは家族といつも一緒にいることが大好きなのです。
その自分の縄張りに見知らぬ存在が入ったり近づいたりすると警戒心から吠えるようになります。
群れの中には必ずリーダーが存在します。
この役目は飼い主がしなくてはいけません。
しかし、愛犬を甘やかしたり従ってばかりいると犬がリーダーになろうとしてしまいます。
リーダーになってしまうと、飼い主のいうことを聞かなくなったり、気に入らないことがあれば吠えたり噛んだりするようになります。
犬は縄張り意識が強いため、テリトリーに他のものが入ってきそうな場合、威嚇や攻撃をして侵入を防ごうとします。
家のそばに近寄ると激しく吠える犬がいるのはこの習性が理由です。
身の危険を感じているとき
自分の身に危険を感じているときにもパニックになって吠え続けることがあります。
インターホンがなったり電話がなったり、知らない人が来た時に吠えるのはどうしていいのか分からず怖がっているサインの場合があります。
見知らぬ人がいると永遠と吠え続けることも、恐怖から早くいなくなって欲しいという合図なのです。
また家族に危険を知らせるために吠えていることもあります。
不安を感じているとき
家の中でひとりで留守番しているときに吠えてばかりいる犬がいます。
もともと群れで生活をしていた犬にとって孤独というのはつらいものです。
飼い主と長時間離れ離れで過ごすことで「分離不安症」になってしまうことがあります。
家族と一緒にいられない独りぼっちの寂しさ以上に不安のほうが大きくなってしまうためです。
家族が出かけたことを知ると急にそわそわしだす犬がいます。
「飼い主がもう帰ってこないのでは」「ひとりのときに何か危険なことが起きるのでは」
このような不安な思いが大きくなって「分離不安」になり問題行動を起こすようになります。
欲求不満・退屈
ラブラドールは人と遊ぶことが大好きです。
じっと何もしないでずっと過ごしていれば退屈で欲求不満になってしまいます。
満たされない気持ちがストレスとなって、無駄吠えすることがあります。
犬が欲求不満になると、怒りや悲しみ、緊張、不安など様々な感情が芽生えることが分かっています。
また犬は群れで暮らす性質上、仲間と一緒に暮らしたい、受け入れられたい、信頼されたいという気持ちが強くあります。
これらの安全性や社会性が満たされないことでも欲求不満になって吠えることがあります。
何かを要求している
なにか自分の要求をして欲しいときに吠える場合があります。
これは小さな子供がだだをこねて自分の要求をかなえてもらおうとする行為に近いものです。
要求して吠える犬はかわいがられている犬に多くみられます。
要求が通ったことで一度は吠えるのをやめますが、吠えれば要求が通ると次第に犬の方が学習してしまうため、癖になってしまいます。
犬が吠えるときの種類
犬が吠えるときのタイプは以下のものに分類されます。
警戒吠え
いつもと違う状況や見知らぬものに遭遇したときに、警戒して吠えたり飼い主や家族に知らせるために吠える
防守吠え
身の危険を感じたり、自分のテリトリーや食べ物、おもちゃ、飼い主を守るために吠える
攻撃吠え
気に入らない相手を追い払うためや、攻撃の予兆として吠える、恐怖が転じて攻撃に変わることもある。
要求吠え
かまってほしい、自分に関心を向けて欲しいときや、食べ物が欲しい、散歩に連れて行って欲しいなど要求を通そうとするために吠える
歓喜・興奮吠え
嬉しいときに歓喜極まって吠えてしまう。なにかに興奮して吠えることも。
ストレス発散吠え
運動不足や遊びの時間が足りていないなど退屈な時間があると、ストレスを発散したくて吠える
犬の吠え方のニュアンス
犬の吠え方によっても、犬の心理状態が垣間見れます。
高さ
声の高さが高ければ自分のほうが弱いという気持ちで吠えています。
反対に低い声で吠えているときは自分の方が強いという気持ちになっています。
大きさ
吠え声の大きさが大きいほど、相手にアピールしたい気持ちが強く出ています。
速さ
吠える速さが早いほど、興奮している状態です。相手をまくし立てる気持ちが強く出ています。ゆっくり吠えているときはやや冷静な気持ちで吠えています。
間隔
間隔が短いときは自分の主張をとにかく伝えたいときで、間隔が長いときは相手の様子を伺いながら吠えている状態です。
ラブラドールレトリバーの無駄吠えを直す方法
犬の吠え癖を直すにはしつけが大事です。
しかし、吠えることに対していつも叱りつけていては逆効果になります。
犬が吠えているときに同じような大きな声で叱りつけてはいませんか?
犬は言葉の意味が分かりませんので、なにか他の動物や人などに対して吠えている自分の横で飼い主が大きな声を出していれば、一緒になって威嚇していると思い込んでしまいます。
この状況は犬にとって吠えることは良いことなんだと学習させてしまう危険があります。
吠え癖を付けさせないためには、子犬の頃から外部の刺激に慣れさせる必要があります。
外部刺激に慣れていないまま大きくなるとちょっとしたことで吠える可能性がでてきます。
子犬の頃に外部刺激があると犬は吠えますが、吠えたままでほったらかしにされた場合はちょっとした刺激でも吠えるのが癖になってしまいます。
無駄吠えをやめさせるには、
「吠える」=「良いことが起きない」
「吠えない」=「良いことが起きる」
という状態に習慣付けすることです。
他の犬に吠える
他の犬を見て吠える犬は、子犬の頃に社会性を養うことが出来ず未熟なまま成犬になってしまったいわゆる「犬馴れ」していない状態です。
慣れていない相手を前にして興奮状態になっているため、飼い主が大声でやめさせようとすれば余計に興奮してしまうため吠え癖は悪化する一方です。
「吠えることを止めよう」とするのではなく、「犬の気持ちを落ち着かせる」ことに力を注いでください。
散歩中に他の犬が近づいてきたときには、「スワレ」「マテ」のコマンドをしてなるべく距離を保って通り過ぎるのを待つこと。
その間におやつをあげると気持ちがおやつにいくため、他の犬に吠えることはなくなります。
他の犬と遭遇するたびにおやつを毎回あげていけば、他の犬を見かけるたびにおやつがもらえるという風に学習するようになります。
吠えないでいられたら褒めてあげて、繰り返すことで、他の犬に遭遇しても次第に吠えないでいることができるようになっていきます。
留守中に吠える
留守中に吠える犬は寂しさや不安な状態を感じているため、出掛けるときは犬に気づかれないようにそっと出掛けるのがいいでしょう。
帰宅後「ただいま」と同時に犬にかまいすぎるのもよくありません。
「飼い主がいなくなった」「飼い主が帰ってきた」という状態にメリハリを持たせることは、犬にとってひとりぼっちで不安な時間をより感じさせてしまいます。
留守中に安全で安心できる居心地の良いスペースをしっかり作ってあげましょう。
自分の寝床やハウスなどに入っていれば外敵からも守られているためひとりでも安心してすごすことができるようになります。
チャイムや来客に吠える
チャイムの音や来客に対して吠える犬は、自分のテリトリーを守りたくて吠えています。
家に知らない人が来れば警戒するのは当然のことです。
自分の縄張りにおいて「人馴れ」出来ていない状態です。
犬は危険を知らせているため、叱ったところで収まりません。
まずは「大丈夫」といって落ち着かせることです。
落ち着いたら来客に遊んでもらったり、おやつをもらったりすることで来客が来るのは楽しいことだと覚えさせるようにしてきましょう。
ストレスで吠える
無駄吠えが多いラブラドールは、運動量が足りなかったり遊びや触れ合いが足りなかったりとエネルギーが有り余って欲求不満になっている状態が考えられます。
毎日もう十分と思えるくらい散歩や運動をしてあげられれば、からだの中のエネルギーは使い果たし、十分満たされて心地良い疲れを感じながら居られるはずです。
ストレスがなく幸せな状態であれば無駄吠えすることはなくなります。
ラブラドールが吠える色んなケースを見てきましたが、これらのしつけをしてもなかなか改善が見られないときには、簡単便利なしつけ用グッズがあるので参考にしてください。
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